チェンバロは、15世紀から18世紀のヨーロッパのルネッサンスからバロック音楽に用いられていた楽器です。主に宮殿や教会、貴族の邸宅で演奏されていました。
17世紀前半にフォルテピアノが発明され、市民革命や産業革命が起こり、チェンバロは徐々に忘れ去られていきましたが、近年古楽ブームが沸き興り古楽器が見直されています。当時作られたチェンバロも現存していますが、今では日本にもチェンバロの工房が各地に在り、小型のスピネットや一段鍵盤、二段鍵盤など様々な種類が製作されており、入手し易くなっています。
現代のピアノと違っている点は、
・ハンマーで弦を叩くのではなく、爪(プレクトラム)で弦をはじいて音を出す撥弦楽器である
・タッチで音の強弱をつけられないので、よりアーティキュレーションやフレージングなどの重要性に気づくことができる
・金属の響板ではなく木で出来ているのでピアノより軽量である(頑張れば2人で担げる)
・湿度や温度の変化に敏感で音がすぐ狂うので、チェンバリストは基本的に調律を頻繁に自分でしなければいけない
(古典調律をマスターして平均律では得られない美しさを体験出来る)
・高周波の倍音を多く含んでいて、その周波数は樹木の中を樹液が流れる時に発する周波数と似ている(胎教にも良い?!)
・なんと言っても音色が雅である!
などです。